第129号
ヨハネは二度に亘って「聖なる都エルサレムが神のもとを離れて、天から下って来るのを見た」と言っています。一度目は地上の平地で見ていたと思われますが、二度目は高い山から見たのです。この光景は主がモーセをピスガの頂に導き、カナンの地を全て見渡されるようにされた出来事と重なります。そこで主はモーセにこのように言われています。「これがあなたの子孫に与えるとわたしがアブラハム、イサク、ヤコブに誓った土地である。わたしはあなたがそれを自分の目で見るようにした。あなたはしかし、そこに渡って行くことはできない」(申命記三四:四)。今日でも、オリブ山から見るエルサレムの全景は美しいものです。町のほぼ中央に岩のドームがあります。ドームは金伯で覆われ、周りの家々はこの地で産出される少し赤みをおびた石で造られています。夕日を浴びると町全体が黄金色に輝くのです。
ヨハネが見た聖なる都エルサレムの大きさは正方形で、人間の物差しで一辺が一万二千スタディオンでした。十二はユダヤでは完全数で、その千倍です。一スタディオンは一八五メートルなので二千二百キロメートルになります。エルサレムからバビロンまで約八百キロ、ローマまでは千五百キロです。日本ですと北は北海道から南は沖縄まで、そして西は中国の北京までとなります。平面だけでなく高さも同じだけあるのです。新しい都エルサレムはわたしたちが考えるよりずつと大きいのです。そしてこの都の大通りは、透き通ったガラスのような純金でした。
この聖なる都エルサレムが天から下って来るのを見た時、ヨハネは玉座から語りかける大きな声を聞きました。「見よ、神の幕屋が人と共に住み、人は神の民となる。神は自ら人と共にいて、その神となり、彼らの目の涙をことごとくぬぐい取ってくださる。もはや死もなく、もはや悲しみも嘆きも労苦もない。最初のものは過ぎ去ったからである」(黙示録二一:三、四)。
幕屋はモーセがシナイ山で示されたものの型です。幕屋の内側は金で覆われ、ローソクがその明かりでした。至聖所の大きさは一辺が一〇アンマの正方形でした。一アンマは〇.四五メートルですから、四.五メートルとなります。至聖所には契約の箱があり、その上にはケルビムが置かれていました。ケルビムは神の臨在の象徴でした。
この至聖所の一辺の長さを約五〇万倍したのが聖なる都エルサレムで、主イエスがこの都を照らす明かりです。
わたしたちを罪から清めこの聖なる都エルサレムの住民にすることこそ、天の父が御子イエスをこの世に遣わされたことです。わたしたちは主イエスと共にこの新しい天と新しい地に永遠に住むことになるのです。