年頭のテレビや新聞では環境問題が多く取り上げられていました。課題は、地球の温暖化を防ぐために、どのようにして二酸化炭素の排出量を抑えたらよいのかということです。中国は二〇〇七年には、アメリカを抜いて世界最大の二酸化炭素排出国となるようです。中国とインドが二〇三〇年までには増加する排出量の五十六%を占めるといわれています。両国は「地球温暖化は先進国が招いている問題であって、われわれが二酸化炭素排出量の規制を受けることも、これによって発展が制約されることもない」という立場です。中国の一人当たりの排出量は先進国の約三分の一です。インドに至っては十一分の一の量に過ぎません。インドでは一日一ドル以下で暮らす貧困層は三億人、電気のない生活をしている人は六億人といわれます。中国の貧困層は一億三千万人だそうです。先進国は、自分たちと同じような生活水準を目指しているこれらの発展途上国の経済成長を抑えることはできません。
温暖化や大気汚染といった環境破壊のため、わたしたち人間が地球に生存できなくなる日が遠からず来るといわれています。しかも少しずつ来るというのではなく、突然、その限界に達し、後戻りできなくなるといわれています。主イエスに従った十二弟子たちもまた、自分中心の罪から逃れることは出来ませんでした。主イエスと共に「神の国」を支配することを夢見ていたからです。そのため自分たちの思いがかなわぬと知るや、主イエスを見捨ててしまいました。わたしたちもまた同じように、主イエスに自分を捧げるのではなく、主イエスを自分に仕えさせようとします。
このようなわたしたちが本当の意味で救われたのは、聖霊によって神である主イエスの力を認め、その前にへりくだるということが起こったからに他なりません。神との和解は、自らを神としていたその罪を認め、主イエスに全てを委ねて従う決心をした時にもたらされます。
「神との和解」は、わたしたちに神の霊と共に新しい命をもたらしました。それはわたしたちがこの世ではなく、永遠の命に生きるようにされるということでもあります。その結果、この世で持っている最も大切なものですら人に分け与えることが出来るようになるのです。マザーテレサはインドの貧しい人のために自分の生涯を捧げました。内村鑑三は戦争に突き進むかつての日本にあって命をかけて非戦論を唱えました。
自己中心であるわたしたちには、神のため、また人のために自分を犠牲にする力が生まれつき備わっているというのではありません。「神との和解」によって私たちの内に与えられた聖霊によって変えられ、「新しく創造された者」となるのです。
「新しく創造された者」には、「神との和解」の務めをなす使命が与えられます。人を恐れず福音を語るなら、必ず実を結ぶのです。環境問題などによって、人類の生存の危機が叫ばれているこの時代は、神の国の福音を一人でも多くの人に語ることの出来る良い機会をわたしたちに提供しているのではないでしょうか。
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